CO2フラクショナルと他のフラクショナルレーザーとの違い
CO2フラクショナルレーザーと他のフラクショナルレーザー（特にエルビウムレーザーなど）には、レーザーの種類や作用する深さ、適応する肌悩み、ダウンタイムの違いがあります。以下では、これらの違いを詳しく解説します。
1. CO2フラクショナルレーザーとは？
CO2フラクショナルレーザーは、炭酸ガス（CO2）レーザーの一種で、肌の深い層にまで届き、皮膚の再生を強力に促す治療法です。このレーザーは、水分に強く反応する性質を持ち、肌の水分をターゲットにして、真皮層まで到達して組織に微小なダメージを与えます。その結果、コラーゲン生成が活性化され、皮膚の再生力を利用して肌の修復が行われます。
- 特性：CO2レーザーは、皮膚の深部にまで働きかけるため、クレーター状の深いニキビ跡や深いしわなど、重度の肌トラブルに特に効果的です。
- 治療後の効果：CO2フラクショナルレーザーは、肌の凹凸や深いニキビ跡、しわに対して強力に働きかけ、数回の治療で明らかな改善が期待されます。
- ダウンタイム：深い層まで作用するため、1〜2週間程度のダウンタイムが必要となります。この間、赤みや軽い腫れが続くことがあります。
2. 他のフラクショナルレーザー（エルビウムレーザーなど）とは？
1. エルビウムフラクショナルレーザーの特徴
作用する深さ
エルビウムレーザーは、肌の表皮層や真皮の浅い層に焦点を当てます。CO2レーザーが深部に作用するのに対し、エルビウムレーザーは表面的な問題に対応するため、より軽いダメージで施術が可能です。
適応する肌悩み
エルビウムフラクショナルレーザーは、以下のような肌悩みに効果的です。
- 軽度のニキビ跡：肌表面の浅い凹凸や軽度の凹みを改善します。
- 細かいシワ：小じわや表情ジワの改善に効果があります。
- くすみ：ターンオーバーを促進することで、くすんだ肌を明るくします。
- 肌トーンの均一化：肌のトーンが均一になり、明るく透明感のある肌が期待できます。
治療の効果
エルビウムレーザーは、肌の表面の古い角質を取り除き、新しい細胞の生成を促します。これにより、肌の質感が滑らかになり、肌の色むらや小さなシワが改善されます。
2. エルビウムレーザーのメリット
- ダウンタイムが短い：CO2レーザーに比べてエルビウムレーザーは、肌への侵襲が少ないため、施術後の赤みや腫れが比較的短期間で治まり、通常3〜5日程度で回復します。
- 痛みが少ない：浅い層に作用するため、CO2レーザーに比べて施術中の痛みが軽減されます。局所麻酔で十分なことが多いです。
- 軽度の肌悩みに適している：エルビウムレーザーは、重度のニキビ跡や深いシワには効果が限られますが、軽度のニキビ跡やシワ、色素沈着、くすみの改善に適しています。
3.エルビウムフラクショナルレーザーの効果と施術後のケア
エルビウムレーザーは、浅い層に働きかけるため、ダウンタイムが少なく、肌の回復も早いのが特徴です。ただし、施術後は適切なケアが必要です。
保湿ケア
施術後の肌は乾燥しやすくなるため、しっかりと保湿ケアを行うことが大切です。ヒアルロン酸やセラミドを含む保湿剤を使用し、肌の水分を維持しましょう。
紫外線対策
レーザー治療後の肌は紫外線に敏感になっていますので、外出時は日焼け止めを使用して、紫外線から肌を保護してください。SPF30以上のものを使用するのが推奨されます。
刺激を避ける
施術後の数日は、肌に強い刺激を与えるピーリングやスクラブなどは避け、優しくスキンケアを行いましょう。
3. CO2フラクショナルレーザーと他のフラクショナルレーザーの比較
| 項目 | CO2フラクショナルレーザー | エルビウムフラクショナルレーザー（他のフラクショナルレーザー） |
|---|---|---|
| 作用する深さ | 真皮層まで深く到達 | 肌の浅い層に作用 |
| 適応する肌悩み | クレーター状の深いニキビ跡、深いしわ | 軽度のニキビ跡、軽度のシワ、くすみ、肌のトーン改善 |
| 効果 | コラーゲン生成を強力に促進し、肌の凹凸を改善 | 肌の表面を滑らかにし、トーンを均一化 |
| ダウンタイム | 1〜2週間程度の赤み・腫れが発生 | 3〜5日程度で回復可能 |
| 治療後のケア | より長期的な紫外線対策と保湿が必要 | 軽いアフターケアで対応可能 |
4. 適応する肌の悩みの違い
- CO2フラクショナルレーザーは、特に深い肌トラブルに効果的で、クレーター状のニキビ跡や、時間の経過とともに目立ってきた深いしわに対して優れた効果を発揮します。また、肌の引き締めや、強いコラーゲン生成効果があるため、皮膚全体の弾力やハリの改善にも役立ちます。
- エルビウムレーザーなど他のフラクショナルレーザーは、軽度の肌トラブルに対して効果的です。例えば、軽いニキビ跡や、くすみ、小じわ、肌のトーン改善を希望する場合に適しています。また、肌への負担が少なく、回復が早いことから、ダウンタイムを最小限に抑えたい人に向いています。
まとめ
CO2フラクショナルレーザーは、肌の深層にまで働きかけるため、クレーター状の深いニキビ跡や深いしわなど、重度の肌トラブルに非常に効果的です。対して、エルビウムフラクショナルレーザーや他のフラクショナルレーザーは、より浅い層に作用し、軽度の肌悩みに対して適した治療法です。
治療の選択は、肌の悩みやダウンタイムの許容範囲によって異なります。専門医によるカウンセリングで、最適な治療法を選ぶことが重要です。
KOBE皮膚科クリニック福岡天神院では、これらの治療を提供しており、専門医が肌の状態に応じた最適な治療法を提案します。より詳しい情報やカウンセリングについては、以下のリンクで確認できます。
記事監修医師プロフィール
理事長/KOBE美容皮膚科
山本 周平
国立神戸大学医学部卒業 製鉄記念広畑病院勤務(形成外科、皮膚科、内科に従事)
中谷病院勤務(内科に従事)
湘南美容クリニック勤務(美容医療に従事)
神戸朝日病院(内科、皮膚科に従事)
複数の有名クリニックにて勤務 美容クリニックにて院長を歴任
2019年8月にお客様第一のクリニックを作るため、当クリニックを開業 2020年8月に医療法人康徳会理事長に就任
